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乳酸は疲労物質ではありません

皆さん、こんにちは!

BodyStoic名古屋店パーソナルトレーナーのHIROです。

 

僕らパーソナルトレーナーは正しい知識をお伝えしなければいけません。
何故かと言うと、その対象としてクライアントの身体があるからです。

間違った情報をお伝えすることでクライアントの怪我に繋がってしまうからです。
また効率も悪くなってしまいますので、無駄な期間を提供することになってしまいます。

ですから、常日頃から身体に感する情報、栄養に関する情報、トレーニングに
関する情報は最先端のものや間違った情報を満遍なく仕入れて精査して
お伝えする努力をしています。

今では科学も進歩して、昔では常識だったことが間違いだったなんてことが
いくらでも出てきます。ネットも普及しているので文献だったり、論文、
研究報告なんかもその場で調べたりすることができます。

なので、僕なんかはこうして情報を発信するにあたって
自分が正しいと思っていることでも、本当に正しいことなのか?
もしかしたら間違っていないかは必ず発信する前にいくつも資料を取り寄せたり
して調べています。

それでは最近、気になっている間違った知識を紹介したいと思います。

乳酸は疲労物質か?

さっそく答えを言ってしまいます。

乳酸は疲労物質ではありません。

以前にも似たような記事を書かせていただきました。

「運動後のクールダウンはいらない」

乳酸が疲労物質だなんてのは100年前の実験から言われてたことです。
科学は進歩しています、以前は常識だったことが今では違います。

乳酸は疲労物質どころかむしろ体を回復させるための必要なエネルギー源です。
未だに乳酸=疲労物質なんて言ってる人は勉強不足もいいところです。
逆にその人になぜ、乳酸が疲労物質なんですか?と聞いてみてください。

多分、答えることができないでしょう。

だって疲労物質ではないから(笑)
乳酸と筋肉疲労との因果関係は全くもって証明されていません。

またアスリートだった僕からしたら身をもって実感していたことでも
あります。激しい運動(レース))をした後、クールダウンしたからといって
次の日のパフォーマンスが良くなるのかと言ったら決してそうではない。

やらなくてもやっても変わらないのであれば、その時間に
もっと効果のあることをやるべきですよね。

筋肉疲労のメカニズム

肉体的疲労の主な原因は、筋肉を動かすためのエネルギーの不足と、疲労物質(乳酸)の蓄積。

・・・これ公益財団法人の保健センターが謳っています。
疲労物質(乳酸)の蓄積ってw

そりゃ多くの人が信じ込んでしまいますね。
何度も言いますが疲労物質=乳酸ではない。

では筋肉が疲労して動かなくなるメカニズムとは一体何でしょうか?

運動を行うと筋収縮が行われます。そのために筋肉の中にある糖の一種である
筋グリコーゲンを分解してATP(アデノシン三リン酸)が作り出されエネルギーとして使います。

その分解時に乳酸も作られるのですが、乳酸はミトコンドリアで酸化してエネルギー源として
再利用されますし、筋肉中には30分も経てば消費されてしまいます。

そして乳酸は無酸素運動などの激しい運動を行うと多く発生するのですが、
有酸素運動でもなんでも筋肉を動かせばそのエネルギーを作り出す時に必ず生成されるのです。

筋肉の疲労はさまざまな原因が重なり合って起こっていますが、
単に筋肉を動かすためのエネルギー(糖)が枯渇することと、筋収縮は筋小胞体から
カルシウムイオンが放出することで起こりますが、ATPなどが分解されてできる
リン酸がカルシウムイオンの放出を阻害して筋収縮が起こりにくくなるというのも
筋肉疲労の原因と考えられています。

乳酸は疲労回復の味方

乳酸はエネルギーの再利用として使うこともできますし、筋収縮を阻害することを
防いでもくれます。

また乳酸には血管を新しく作ってくれたり、傷の修復促進、ミトコンドリア新生などの
働きもあり、乳酸=悪いものではなく身体にはとても重要な味方なのです。

そんな乳酸を間違った知識で溜まったら血流を良くして流してしまいましょうって
もったいないでしょう。
ですから筋トレした後でも激しい運動した後でも根拠のないクールダウンしましょうなんて
言葉に惑わされずにしっかりと正しい筋肉疲労回復をして、次に備えていきましょう。

まずは何はともあれ栄養補給です。軽い運動する前に栄養補給。
それから少し安静にして軽く深呼吸。
ヨガの完全呼吸などを入れてみてもいいかもしれません。

鼻から大きく吸って、吸った時にお腹を膨らまして腹式呼吸
そのまま大きく肋骨を広げるように肺まで酸素を取り込んで最後に鎖骨の付け根を
持ち上げるようにしてから、今度は口から細く長く息を吐いていきます。

今度は順番が逆で息を吐きながら鎖骨の付け根を下に落として、肺の中の酸素を
吐き切るようにお腹を凹ませて行きます。

その後にマッサージを受けて、しっかりと睡眠を取ることです。

翌日、自分の身体の痛い所、張っているところを確認して
自分の身体がどんな状態なのかを把握しつつ、軽めのストレッチ。
この時も呼吸を意識してくださいね。

乳酸と筋肉痛

乳酸が筋肉に溜まって刺激するのが筋肉痛の原因というのが従来の説でした。
しかし今の考えでは、乳酸は体の中で消費されてしまって筋肉中に残りません
特に運動してから数日後に起こる筋肉痛に乳酸が関係する可能性はありません。

あまり使っていない筋肉を急に使うと筋肉が損傷して浮腫を起こします。
運動後に、この浮腫の修復が必要となり、その修復過程で炎症物質ができると考えられています。
なお炎症物質は筋肉ではなくて筋肉を覆う筋膜や皮下の結合組織で痛覚を起こします。

なので筋肉を温めることで動きが良くなることはあっても、血流を良くすることで
疲労物質が流れて?筋肉痛が和らぐということもないのです。

そもそも流す疲労物質など無いからです。
浮腫が筋膜などの強張りなどを引き起こすわけなので筋肉疲労、筋肉痛を回復するには
ストレッチや軽い運動ではなく、マッサージが効果的なのです。

こちらも科学的に証明されております。

まとめ

常に新しい事を学んでいくことはクライアントの身体を扱うパーソナルトレーナーの
責務だと思います。

ただ、哀しいことに全てのパーソナルトレーナーが責務だと感じているわけじゃなく、
何も調べることもせず、ただ自分が思い込んでいることをクライアントに
お伝えするだけのトレーナーが多く存在しています。

また発信する側の問題だけでなく、受け手側も正しい知識を学ぶ姿勢でなければ
ならないと思います。
だって、ご自分の身体のことですからね。根拠のない情報をなにも疑いもせず
鵜呑みにするのはあまり賢明ではないと思います。

パーソナルトレーナーは自分の知識がクライアントの身体に繋がっていることを
忘れないでいただきたいのと、
クライアントはもっと自分の身体について知る努力をしていただきたいなと
思います。