皆さん、こんにちは!
BodyStoic名古屋店トレーナーのHIROです。
昔から運動後のクールダウンは必ずやりなさいと言われていました。
現在でもそれが常識、定説となっていて激しい運動後には必ず軽いジョギングや、
ストレッチなどを行なっている人も少なくないかと思います。
しかし、最新スポーツ科学ではそれらに有意な効果はないとされています。
現役時代、明日に疲れを残さないためにと一生懸命やってきたのは
なんだったのか・・・
そもそも何故?クールダウン?
先程も書いたとおり、明日に疲れを残さないためにとか、
トレーニングで固くなった筋肉を解して可動域を戻すとか、
そういった理由でクールダウンが推奨されていたわけですけども。
その考えの根底にあるのが乳酸という存在。
乳酸=疲労物質と我々は長い間、思い込んでいましたが
実はこの乳酸、現代では疲労物質どころか活動エネルギー源と
考えられています。
乳酸=疲労物質という考え方だったので、血液中に増加した乳酸を
早く取り除こうということで血流を良くしようと軽い運動が行われてきました。
しかし、そもそもの疲労物質と考えられていた乳酸自体が
疲労物質ではないと最新の研究で分かってきたことなので、軽い運動をして
血流を良くする必要性が無いのです。
プロアスリートを対象にした実験結果
プロサッカー選手を対象にしたトレーニング後のクールダウンによる
効果を確かめる実験が行われました。
Aグループはトレーニング後、20分間安静にしてもらい
Bグループはトレーニング後、12分間のジョギングと8分間のストレッチ
行いました。
翌日に筋肉の柔軟性、関節の可動域、筋肉痛の度合い、
垂直跳び、ダッシュなどの様々な記録を行なった結果、グループ間に
大きな違いは見られなかったという報告がなされました。
また実はトレーニング後のクールダウンを行なった結果、
怪我や障害の数が減ったというメタアナリシス(最も質の高い信頼しうる根拠)も
報告されていません。
クールダウンをする事と怪我を結びつける関係性は
医学的に証明されていないというのが現状です。
さらに注目したいのは筋トレなどの無酸素運動を行った際、
筋肉はグリコーゲンを使いますが、筋肉中のグリコーゲンを使い果たせば、
当然、筋肉は動かなくなるので筋力の回復には素早く筋グリコーゲンの再合成が必要です。
しかしながら、筋グリコーゲンの再合成の速度はクールダウンすることで
効果が上がるということは無いという報告がされています。
むしろ、クールダウンすることで筋グリコーゲンの再合成は妨げられている
可能性があると言われています。
筋トレなどの無酸素運動を行なうと筋肉中のグリコーゲンを
使うということは先程、説明しましたが、
その時に発生するのが乳酸です。
実はこの乳酸は肝臓に運ばれ再度、グリコーゲンとして変換されます。
体内ではエネルギーのリサイクルが行われています。
しかし、有酸素的な軽い運動をクールダウンとして行うと
乳酸は肝臓に運ばれずにエネルギーとしてその場で使われて行ってしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで書いておいて何ですが・・・正直、これが本当か嘘かよりも
実は1番気にしていただきたいのは周りがやってるから、誰かに言われたからと
何も自分の頭で考えたり調べたりする事なく、鵜呑みにしてしまうことです。
これらは思考の癖ですから、今回のことに限ったことではなくて
全てにおいてそうなってしまうという事です。
何の疑いもせず、間違ったことを続けることは怖いことです。
それこそが怪我や障害につながる1番の原因だと知っておいて欲しいです。